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 ラ・フランスは西洋梨の一種であり、山形県が全国の生産量の約8割を占める果実です。典型的な西洋梨の形ではなく不ぞろいであることから「みたくなし」とも呼ばれていますが、収穫後追熟することにより発生する独特の芳香と食感が好まれ、高級果実として知られています。しかし、ラ・フランスは主に生食で消費され、一部がジュースやジャム、缶詰にされるだけで加工食品としての利用は進んでいないのが実情です。


 そこで、弊社の研究開発グループでは、産学官連携や他社との共同研究を通し、ラ・フランスを一つの作物として捉え、果実だけではなく様々な生育ステージでの利用を考えています。
 ここでは、その取り組みとして、ラ・フランスパウダーと化粧品素材への可能性について紹介します。


ラ・フランスパウダー


 2005年に県村山総合支庁の支援を受けて、地元の農産物などを生かした商品を開発し食品加工業の活性化を目指す「むらやま食品加工推進グループ」が異業種5社で設立されました。参加企業は以下の通りで、当社は技術開発・パウダー製造に携わりました。


日東ベスト(株)技術開発・パウダー製造
(株)杵屋本店菓子製造
(株)マーケティング・トレジャーマーケティング
(株)ハイスタッフパッケージ等デザイン
(株)大沼小売

そもそも、ラ・フランスパウダーの開発には、平成11年度より工業技術センターが開発に取り組んでおり、芳香を保持したまま粉末化する技術を確立していました。

 その技術のポイントは、環状オリゴ糖という物質を利用することにありました。環状オリゴ糖にはその名の通り、ブドウ糖が環状構造をとったもので、環の内側に物質を閉じ込め保護するという性質があります。この技術に弊社のパウダー化のノウハウが加わり、独特の芳香を保持したパウダーが生まれたのです。このパウダーは、焼き菓子に応用され、2006年にテスト販売が行われました。

 今後は、現在のパウダーの改良や、応用分野への適応性に配慮した商品ラインナップを検討し、本格的なラ・フランスパウダーの販売につなげていきたいと思っています。

化粧品素材への可能性


 アルブチンという物質をご存じですか?
 アルブチンは化粧品に利用されている物質で、肌の美白に効果があるとされています。一般的にアルブチンを生成するためには多段階の工程を必要とするため、どうしてもコストがかかり、高価になる傾向にありました。

 しかし、実はこのアルブチンが、ラ・フランスの未熟な果実に含まれていることが、山形大学農学部の五十嵐教授と共同研究を行っていた弊社研究開発グループにより発見されました。さらに、通常は廃棄されてしまう枝にも含まれていることがわかり、高含量で、類似の構造を持つ物質が少ないことも確認されました。

 弊社研究開発グループでは、もともと天然物の抽出・精製技術を従来より手がけており優れたノウハウを保持していたため、このラ・フランスの枝からのアルブチンの抽出・精製技術を開発することができました。

 現在、このアルブチンをラ・フランスの枝から工業的に精製する方法を確立し、特許を獲得。2012年2月より、ラ・フランス由来の成分(セイヨウナシ枝エキス)を配合した化粧品"Franus Branche(フラナス ブランシュ)"を販売しております。
 また、化粧品の売上の一部は地域の森を育てる活動にあてられています。この、地域に根ざした取り組みが高く評価され、平成24年に『山形県環境保全推進賞山形県知事賞』を受賞しました。

 なお、この研究開発は、山形県産学官連携共同研究事業に採択され、産学官連携の下で行われたものです。